2015年6月5日金曜日

公開講座第3回目の内容「スコットランドの自治:独立住民投票から考える」

3回目は、本学講師の松下晴彦氏による「スコットランドの自治:独立住民投票から考えるです。

本講座は受講料無料、申し込み不要で、当日直接会場にお越しいただければ受講できます。
ぜひお気軽にお越しください。


全体のテーマは「現代の課題:グローバル化とナショナリズム―ヨーロッパおよび東アジア―」で、各回もそれに関連した内容になりますが、お好きな回だけ受講していただくことも可能です。



<第3回目概要>
6月19日(土)10時~12時 横浜商科大学つるみキャンパス1号館3階132教室
申し込み不要(当日直接会場にお越しください)、受講料無料


<要旨>
スコットランドというと、日本ではイギリスの一地域ととらえられ、今までそれほど注目を集めることはなかった。しかし、2014918日のスコットランドの独立を問う住民投票が近づくにつれ、各種メディアにも取り上げられ、にわかに脚光を浴びることとなった。

 スコットランドの独立運動は何も最近始まったものではなく、1707年のイングランドとの連合直後から存在していた。連合に賛成したにもかかわらず、連合に幻滅し、解消を求める議員もいた。さらに亡命ステュアート朝の支持者による武力に訴えた蜂起が幾度となくあった。特に1745年の蜂起はスコットランドのハイランドから始まりイングランドのダービーまで進行してロンドンを脅かすに至った。

 平和的な独立を目指す動きは2014年以前にもあった。1979年、スコットランド議会の設置を問う住民投票では賛成派の投票者が過半数を超えたものの、投票率の規定により結果的に否決されてしまった。ついに1997年の労働党トニー・ブレア政権下で再び行われた住民投票では承認され、完全な独立ではないが、1999年、エディンバラにスコットランド議会が設置されることとなった。近年ではスコットランド独立を目指す「スコットランド国民党」が第1党となっている。20149月の住民投票では独立は否決された一方で、20155月の連合王国議会選挙では「スコットランド国民党」が59あるスコットランドの選挙区で56議席を獲得し、連合王国議会で保守党、労働党に続き第3党となった。これまで、「スコットランド国民党」の活躍の場はスコットランドに限られていたが、今後は連合王国議会においても存在感を示すものと思われる。

 今回の公開講座では、独立に向けた運動をふり返りながら、スコットランドの今後を考察してみたい。

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