2015年7月6日月曜日

公開講座第5回「統合ヨーロッパにおけるナショナリズムとグローバル化」

7月4日に、横浜商科大学50周年記念公開講座の第5回 「統合ヨーロッパにおけるナショナリズムとグローバル化」を開催しました。講師は横浜国立大学名誉教授で、本学元教授の権上康男先生です。

質問も活発に出されました。



36名の方にご参加いただきました。


2015年6月29日月曜日

公開講座第4回「明治初年の日本と朝鮮」

6月27日に、横浜商科大学50周年記念公開講座の第4回 「明治初年の日本と朝鮮」を開催しました。講師は本学元教授の大石庄一先生です。
質問時間が30分あり、活発に質問が出され、充実した講義になりました。
32名の方にご参加いただきました。


2015年6月25日木曜日

公開講座第3回 スコットランドの自治:独立住民投票から考える

6月20日に、横浜商科大学50周年記念公開講座の第3回 「スコットランドの自治:独立住民投票から考える」を開催しました。講師は本学講師の松下晴彦先生です。
当日は37名の方が参加し、活発に質問も出されました。
 

2015年6月15日月曜日

公開講座第2回 如何にしてナショナリズムと出会い、如何にしてそれを捨て去ってきたか―ドイツ

6月13日に、横浜商科大学50周年記念公開講座の第2回 「如何にしてナショナリズムと出会い、如何にしてそれを捨て去ってきたか―ドイツ」を開催しました。講師は本学元教授の酒井明子先生です。


当日は39名の方が参加してくださいました。


2015年6月12日金曜日

公開講座第1回 国家・「ネーション」とはなにか~かつての「グローバル国家」スペインと今の「地方」カタルーニャ・バスク~

6月6日に、横浜商科大学50周年記念公開講座の第1回  国家・「ネーション」とはなにか~かつての「グローバル国家」スペインと今の「地方」カタルーニャ・バスク~を開催しました。講師は本学教授の渡部哲郎先生です。


当日は39名の方が参加し、熱心に聞き入っていらっしゃいました。

2015年6月5日金曜日

公開講座第6回目の内容 「アジアにおける通貨選択-グローバル化とナショナリズム」

6回目は、法政大学名誉教授の靎見誠良氏による「アジアにおける通貨選択-グローバル化とナショナリズムです。

本講座は受講料無料、申し込み不要で、当日直接会場にお越しいただければ受講できます。
ぜひお気軽にお越しください。


全体のテーマは「現代の課題:グローバル化とナショナリズム―ヨーロッパおよび東アジア―」で、各回もそれに関連した内容になりますが、お好きな回だけ受講していただくことも可能です。



<第6回目概要>
7月11日(土)10時~12時 横浜商科大学つるみキャンパス1号館3階132教室
申し込み不要(当日直接会場にお越しください)、受講料無料


<要旨>

本講義では、「東アジアにおけるグローバル化とナショナリズム」の問題を、通貨・金融の視角から光りをあてる。

現在中国は、近年の圧倒的な経済発展をバックに、これまでの欧米中心の戦後国際経済システムに挑戦する火ぶたを切りつつある。日中韓FTAあるいは中国元の国際通貨化、アジアインフラ投資銀行など多岐にわたる。これに対して日本はアメリカとTPP(環太平洋経済連携協定)の締結をめざし、また現行のブレトンウッズ国際金融システムの維持に動いている。アジアはまさしにマグマを抱え、混沌とした状況下にある。このなかで日本はどう舵を切ったらよいであろうか。 

現在の世界経済では、円や人民元、ドルが国民経済を代表し、しのぎを削っている。元はドルに代わるであろうか。一方ヨーロッパでは、フラン、マルクなどの国民通貨は消失し、共通通貨ユーロが出現した。広域通貨か、あるいは国民通貨か、東アジアの通貨はどこへ向かうであろうか、選択の岐路に立たされている。

急速に力をつけつつある中国元に対して、日本円はどう対応すべきであろうか。アジア通貨の覇権を目指すべきであろうか。あるいはユーロのように、両国が協調してアジア共通通貨を目指すべきであろうか。本講義では東アジアにおいて中国元、韓国ウオン、日本円などの国民通貨がどのように形成され、どのように発展したか、そのあゆみを辿りながら、日本の通貨戦略の行く方を考える。

公開講座第5回目の内容 「統合ヨーロッパにおけるナショナリズムとグローバル化」

5回目は、横浜国立大学名誉教授の権上康男氏による「統合ヨーロッパにおけるナショナリズムとグローバル化です。

本講座は受講料無料、申し込み不要で、当日直接会場にお越しいただければ受講できます。
ぜひお気軽にお越しください。


全体のテーマは「現代の課題:グローバル化とナショナリズム―ヨーロッパおよび東アジア―」で、各回もそれに関連した内容になりますが、お好きな回だけ受講していただくことも可能です。




<第5回目概要>
7月4日(土)10時~12時 横浜商科大学つるみキャンパス1号館3階132教室
申し込み不要(当日直接会場にお越しください)、受講料無料


<要旨>
 欧州諸国はEUという統合組織に結集し、経済を中心にさまざまな領域で一体となって行動している。これらの国が統合を選択した理由の一つは、先の大戦の反省に立ち、偏狭なナショナリズムを克服することにあった。欧州はまさに人類の理想を実現したかに見えた。ところが現在、この欧州が3重の危機に直面している。すなわち、深刻化する移民問題、活発化する分離・独立運動、ギリシャ危機に象徴される域内経済の不均衡。

欧州の危機の背景には低成長、グローバル化、それに新自由主義がある。この3つは、1970年代に発生した石油危機と固定相場制の崩壊・変動相場制への移行という2つの歴史的事件に起源を発している。これを契機に、「栄光の」戦後史を支えた高成長が終り、完全雇用も福祉国家も死語になる。各国は新たな経済環境に適応すべく構造改革を実施したが、これにより、経済社会は市場志向性の強いものに改造された。ケインズ・モデルの社会から新自由主義モデルの社会への転換である。一方、変動相場制のおかげで資本の自由化が可能となり、グローバル化への道が開かれた。

 1990年代以降、グローバル化が加速するなかで先進諸国の経済(国民経済)は変質する。有力な企業が多国籍化し、グローバル市場でのシェア拡大を戦略の要に据えたからである。いまやグローバル経済が実態で、国民経済は仮象になろうとしている。こうして、ルールなきグローバル世界のルール(ジャングルの自由)が各国に持ち込まれる。経済領域であれ社会領域であれ、改革はもはや制度や基準を緩める方向でしか行われない。その結果、世界各地で所得格差や地域間格差が広がり、さらに、それらを背景にナショナリズムも台頭している。欧州の危機はこうした世界共通の問題の欧州における表れと言える。

かくてグローバリズムと新自由主義を正面から問わない限り、欧州をはじめ世界の国々が抱える問題は解決しない。この4月にフランスの経済学者トマ・ピケティが来日し、話題をさらった。日本のメディアは気づいていないが、彼の著書『20世紀の資本』の意義は、欧州の現実と学問的伝統を踏まえて、今日的課題に処方箋を示そうとしたことにある。アメリカ流の経済学の強い影響下にある日本で、ピケティの言説が新鮮な驚きをもって迎えられた理由はここにある。